No. 342 プエルトリコのヒーロー

 現在、引退状態にある元世界ウェルター&S・ウェルター級王者フェリックス・トリニダードを生んだ国、カリブ海に浮かぶ小国、プエルトリコ。そこには、ボクシングの歴史を彩る数々の名選手を輩出している。そのプエルトリコの生んだヒーロー達が繰り広げた激闘21試合が網羅されている特集ビデオを今回ご紹介する。

 まずは、世界S・バンタム級王座を17連続KO防衛という難攻不落の記録を打ち立て、KOキングの名を欲しいままにしたウィルフレド・ゴメスの登場である。アマチュア時代から脚光を浴びており、第1回世界選手権をすべてKO、RSCで制覇した後、1974年にプロデビューを果たす。デビュー戦こそ引き分けに終わったが、その後19連勝(もちろん全てKO勝利)し、韓国の廉を1Rのダウンを挽回して12RKOに降しWBC世界S・バンタム級王座を獲得した。日本にも来日し、R・小林戦での水すましを思わせるようなフットワークから芸術的な左フックのカウンターは、今もなお鮮明に焼きついておられる方が多いのではないか。特に本ビデオのオープニングとして登場するメキシコのKOアーチスト、カルロス・サラテとの軽量級KOキング同士の対決に勝利して一躍その名を世界に轟かせたものである。さらには、サルバドル・サンチェスに敗れ初敗北を喫した試合も収録されており歴史的な激闘として語り継がれている。

 次に、史上最年少の17歳でアントニオ・セルバンテスの王座を攻略した天才児ウィルフレド・ベニテスが登場する。父グレゴリオの英才教育がアマで123勝6敗という驚異的数字を残させ、プロに入ってからも無敗で世界王座まで駆け上がった。2階級制覇もメキシコの名王者カルロス・パロミノを攻略しての載冠だった。この2試合に加えてウェルター級王座防衛戦のエミリアノ・ビリャ戦も収録してあり、ベニテスの技巧の妙が堪能できる。

 続いては、パナマの産んだ石の拳、ロベルト・デュランと3度に渡る激闘を繰り広げ、日本のガッツ石松から世界ライト級王座を奪取したエステバン・デ・ヘススの世界戦4試合が収録されており、特に当時WBAとWBC統一王座をかけて戦ったデュランとの第3戦は敗れたといえ、ヘススが如何にライト級で卓越したパフォーマンスを披露していたかが存分に伝わってくる。ライト級といえば、プエルトリコの名を世界に知らしめたという点では先駆者的存在であるカルロス・オルチスの試合も収録されている。さらには、タイの英雄カオサイの双子の兄弟、カオコーに世界バンタム級王座を追われた日本にもお馴染みのウィルフレド・バスケスの試合も入っており、バスケスが登場したことで、作品中には世界3階級制覇を成し遂げたプエルトリコの生んだ3人の「ウィルフレド」が総出演することになる。また、エドウィン・ロサリオの戦慄の1RKO劇やアンヘル・エスパダのピピノ・クエバスとのウェルター級王座を賭けた3度に渡る激戦も圧巻である!まさに名選手同士による好試合の連続である!

 No.342は、ボクシングにおける卓越した技巧、芸術性を感じさせる名選手達を輩出した中南米のボクシング王国プエルトリコを存分に堪能できる作品となっている。

収録内容

  1. ウィルフレド・ゴメス TKO5R カルロス・サラテ(軽量級KOキングの激突!WBC SB 78年10月28日)
  2. ウィルフレド・ゴメス TKO負8R サルバドル・サンチェス(フェザー級史を飾る名勝負!WBC Fe 81年8月21日)
  3. ウィルフレド・ゴメス KO13R レオ・クルス(ゴメスのバズーカ砲がうなる!WBC SB 78年9月9日)
  4. ウィルフレド・ゴメス TKO負9R アルフレド・ライネ(ゴメス、伏兵に敗れる!WBA SFe 86年5月24日)
  5. ウィルフレド・ベニテス 判定15R カルロス・バロミノ("怪童"ベニテス、2階級制覇!WBC W 79年1月14日)
  6. ウィルフレド・ベニテス 判定15R アントニオ・セルバンテス(史上最年少世界チャンプ誕生!WBA SL 76年3月6日)
  7. ウィルフレド・ベニテス 判定15R エミリアノ・ビリャ(若きベニテス、強豪を撃退!WBA SL 76年5月31日)
  8. エステバン・デヘスス KO負11R ロベルト・デュラン 第2戦(デヘスス、逆転KO負け!WBA L 74年3月16日)
  9. エステバン・デヘスス KO負12R ロベルト・デュラン 第3戦(世紀の統一戦!世界 L 78年1月21日)
  10. エステバン・デヘスス 判定15R ガッツ石松(WBC L 76年5月8日)
  11. エステバン・デヘスス 判定負15R アントニオ・セルバンテス(WBA SL 75年5月17日)
  12. カルロス・オルチス 判定負15R イスマエル・ラグナ(世界 L 65年4月10日)
  13. ビクトル・カジェハス 判定15R 李 承勲(WBA SB 85年2月2日)
  14. ビクトル・カジェハス TKO負10R ジェフ・フェネック(WBC Fe 88年3月7日)
  15. ウィルフレド・バスケス 判定負12R カオコー・ギャラクシー(WBA B 88年5月9日)
  16. エドウィン・ロサリオ KO1R ロベルト・エリソンド(WBC L 84年3月17日)
  17. ファン・ラポルテ 判定負15R サルバドル・サンチェス(WBC Fe 80年12月13日)
  18. アンヘル・エスパダ TKO負2R ピピノ・クエバス 第1戦(WBA W 76年7月17日)
  19. アンヘル・エスパダ TKO負12R ピピノ・クエバス 第2戦(WBA W 77年11月19日)
  20. アンヘル・エスパダ TKO負10R ピピノ・クエバス 第3戦(WBA W 79年2月8日)
  21. フリアン・ソリス KO負7R キコ・ベヒネス(81年11月12日)

<RJ社友 末永 慶寛>