ジョー小泉のひとりごと

誰がために書道をする?

中国の北京で印章を作り、筆、墨、紙を求めている。
何のために書道をするのだろう。

この中国でも王羲之の「集字聖教序」を臨書している。

本を読む。
その「読書ノート」を筆で書く。
自分なりに丁寧な字で要点を書き残す。

読書ノート、それこそが自分の書道作品だ、と定義したら・・・
きっと張り合いが出る。

10年後もっとずっといい字を書いているはずだから。
20年後さらにもっと・・・。
(6−23−2016@北京)


また中国出張中

6月21日から25日(帰国)まで日本不在です。
北京におけるWBA理事会にオブザーバー参加し
24日のWBAタイトルマッチ興行を観戦するためです。
もちろん、書道街にも行きますが・・・。


キース・サーマン vs. ショーン・ポーター 戦プログラム

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北京のホテル・ロビーの人形

北京のホテルのロビーで見た奇妙な展示物。
最初は一体何かと目を疑った。
さすが兵馬俑を造った国だけにその精巧さに感心した。


POOL IN CHINA

北京にいる間、ほぼ毎日、早朝泳いでいた。
朝早いので独占状態。
いいプールだった。


故宮博物館と万里の長城

この2箇所は見ものであった。
ともかく桁外れに大きかった。


北京の路上書道

北京の北海公園の中に、いにしえの書道の名跡を集めた
閲古楼という建物があり、そこへと至る長い道筋に
路上で書道(中国では書法という)を披露する
老人がいた。

非常にうまい。

私「ひとつ私にも書かせてください」
老人「いいよ、書いてみなさい」

私は「王羲之」と行書で書き、
次に老人が同じ字をもっとくずした草書で書く。

次に同じく書聖の「顔真卿」と書き、
老人がそれを草書で書く。

周囲に人が集まってきたーー日中、書法競演を見るために。

家内が言った。
「もういい加減にして行きましょうよ」

その声がなければ、もっと書いていたことだろう。

北京の路上
筆を競いて
時忘る

写真の顔真卿と書いたのが、私の字。

(5−21−2016)


IBF当日計量改善案

今日の夕方、北京に出発しますが、
昨日、ファイトニュースに
IBF当日計量制の
改善案を載せました。

IBFに対して、
総会でこの改善案提示のための
スピーチをさせてほしい、
と申し込んであります。

さて、IBFは私にスピーチを許してくれるか?

そして、ルール改正が行われるか?

骨子は、
翌日の再計量で

軽量級も重量級も
一律10ポンド以内というのは論理的ではない。

段階を設けるべきだ、という
ごく常識的な提案です。

どうぞご一読ください。

http://www.fightnews.com/Boxing/proposal-to-ibf-second-day-weigh-in-system-338448#more-338448


中国北京出張

五月二十日より二十六日まで北京出張。
IBF総会出席の為だが、ちょっと早めに行き、家内と北京見物。
万里の長城にも足をのばす予定。

中国の筆、硯、墨、紙を買ってこよう。
(5−16−2016)@神戸


英国のリーズという街のパブにて

 やはり時差の影響か、五時半ごろ目が覚めた。一時間ほどまどろんだが、もう熟睡には戻れない。世の中にはもう戻れないことが多々あり、それはそれで現実を甘受するしかない。

 習慣にしている朝の散歩に出るにも、外はまだ寒いはずだ。日中でも摂氏十度程度なのだから。ここは英国イングランドのヨークシャーにあるリーズ(Leeds)という街で、商業都市であり大学がふたつある学園都市でもある。街路を歩む人が少なく、静かできれいな街だ。

 ふと想いついた短い話があるので、陽がのぼり、外がもう少し温かくなるまで、そのあらすじを書いてみよう――時間つぶしに。

 「職業により人は顔が変わる」という人がいる。それは本当かもしれない。職業人として要求される顔があり、毎日十時間ちかくそんな仮面をかぶっていると、いつかその仮面がはり付いて自分の顔になってしまう・・・。

 私はしがないボクシングのマッチメーカーだ。英国で日本人選手の試合を組む機会があり、その息子のような年齢のボクサー、トレーナーとともにリーズに着いた。ロンドンのヒーズロー国際空港に着くと、迎えの車が待っていてそれに乗ってちょうど三時間でホテルに到着した。

 昼間は選手たちと一緒だが、夜は自由だ。夕方、レンガ造りの建物――その渋い赤みがかった独特な色合いーーを眼で楽しみながら、どことはなく歩き続けていたら喉が渇き、もう六時前(といってもまだ陽が残っているが)だから酒を飲んでもいいか、とふと目にしたパブのドアを開いた。

 「ギネスビールとフィッシュ&チップス」と陳腐な組み合わせの注文をし、ぼんやりスタウトを飲んでいた。この街では本当に日本人を見かけない――中国人の学生は見るが。

 空腹で酒を飲んだので少し酩酊しいい気分になっていたら、扉が開いた。日本人のような顔をした客が入ってきた。席を探していたが、その頃にはかなり混んできたので、私の三人掛けの小さなテーブルに歩み寄り、「失礼ですが、日本人の方でしょうか。席をご一緒させていただいてもいいでしょうか」と渋い声で言う。何というか、いかにもインテリそうなゆっくりした話し方をする。

 その男はエールを頼み、特に私に話しかけるでもなくチビリチビリ飲んでいる。日本の居酒屋のように騒がしく、追加注文の声が飛び交うことはない。みんなゆっくり静かにアルコールを体に、頭に、染みこませる化学反応を楽しんでいる。

 パブの扉がまた開き、黒い髪でそれをきれいに七三に分けた明らかに日本人に見える男が入ってきた。さらに混んできたので先ほどの男とまったく同じように、私たちに同席を求めた。

 何ということだ。三日間、日本人をまったく見かけなかった、この英国の地方の街のパブで日本人が三人そろうとは・・・。

 三人目の男もエールを注文した。サマセット・モームの初期の作品に「お菓子とエール」というのがあったが、エールというのは日本のビールとは違う英国独特の飲み物だ。

 お互い顔を見合わすと、どこか似ている。年恰好も、体つきも似ている。まるで同じ人間が違った人生を歩んだために、職業人として違った仮面をかぶり続け、それを自分の顔にしているだけのように見えるほど互いによく似ている。

<ここからは粗筋だけ>

二番目に入ってきた男は、ここリーズ大学の工学部機械工学の教授。三番目の男は、いかにも機転がききそうな顔つきをしたビジネスマン。そして、私は拳闘屋の男っぽい、しかし知性に欠けた顔をしている。

P:Professor
B:Businessman
M:Matchmaker

ともに同じ年の同じ日に同じ街で生まれたと分かる。そんな奇縁で、互いに半生を語りだす。

三人を比較すると
知性: P>B>M
金、経済力: B>P>M
身体能力、敏捷性: M>B>P(学者は勉強ばかりしているから;私は体だけは丈夫だ、毎日トレーニングを継続しているから)
社会的地位: P>B>M
(私は身体以外はどれも最下位だ)

 「どの人生が最も幸せなのだろう」
 そんなことをいっても仕方がない。もう別々の人生を歩んできたのだから。

 三人の男は別れるとき、約束をした。
 「この4月16日という日、もしこの英国のリーズのこのパブで再会をする機会があれば、来年、再来年と、毎年また会いませんか」と。

 教授はこのリーズで教鞭をとっているのだから、ひとりは座標が固定している。ビジネスマンもときどき商業都市リーズを訪れるという。問題は私で、いつまたリーズを再訪できることか・・・。

 ――そして、三人の互いに分身のようによく似た男たちは二度と出遭うことはなかった。

 教授は翌年、早世し、ビジネスマンは脳溢血で倒れ以後、寝たきりで、身体だけは一番丈夫な私は相変わらず小さな国際試合を組んでいるが、もう英国を訪れることはなかった。

 こんな終わり方でいいのかな・・・。
 さあ、リーズの街をまた散歩しに出かけよう。少しは温かくなったはずだから。
(4−16−2016)