ジョー小泉のひとりごと 2005年11月


ひとり暮らしの気楽さ

家内がイタリアに発つ前夜、頼まれて筆をとった。
食育
幸福
伊太利
と大きく艶のある障子紙に書いた。各3枚くらい清書をして家内に渡した。文化使節団の中には書道の大家がいるというのに、私のような素人学書者がこんなものを書くには度胸がいる。そこは何とか蛇に怖じずである。(学書者という言葉は、二玄社の中国法書ガイド33「孟法師碑」27頁後ろから2行目で初めて知った。さしずめ私など下手の学書者だろう)。

女房がいない1週間、羽をのばして飲みにでも出かければいいのだが、亀田―アランブレット戦の前でアランブレットやバハリ(佐々木基樹選手と対戦するWBA SL級6位)の練習の世話をし、それから夕方、会社に行く毎日だから、とても夜出かける元気はない。

木曜、両選手の記者会見が2時から行われたが、朝ひと仕事終え、泳ぎに行った。家内がいたら、「12時半には出かけないといけないのに、どうして泳ぎに行くの」と反対されるに決まっている。その抵抗勢力がいない。車をとばし、20分泳ぎ、すぐ飛び出て戻った。ホテルに行き、アランブレット陣営と後楽園飯店に向かう。今回のアランブレットは一体どうしたのだ。気難し屋のはずが、機嫌はいいし、時間に正確だ。多分、フライ級リミットで体重苦がないせいだろう。調子はよさそうだ。

昨日は織田君と2人だけ遅くまで仕事をしていたので、一緒に食事をしたが、月曜以降は自炊。というか、家内が冷蔵庫に入れてくれた1日ごとの副食をレンジで温め、これも1日ずつ区分けしてある野菜サラダを出してドレッシングをかけ、ギネスビールを1本飲めばそれで満足。ゆっくり食事しても30分で終わる。外食ではこうはいかない。終わると食器を洗い、すぐ2階にあがり、すぐ習字か読書できる。

そうだ、今週は火曜が忙しかった。WOWOWの音入れが9時半から午後1時まで。スタッフの皆さん、私のマッチメーキングのため午後からの予定を午前に変更してもらい感謝しています。すぐ東京駅までタクシーをとばし、4時半には大阪へ着き、5時半の第1試合の前には府立へ入った。

神戸の実家に泊まり、翌日10時15分発のぞみに乗り帰京し、アランブレットのホテルに直行。一旦、家に帰り、目に濡れタオルを当て30分仮眠。起き上がって30分仕事をしてから、夕方のバハリの練習に付き合い、それから会社へ。

家内がいると、もう風呂へ入れとかいわれるが、夜12時すぎまで習字をしていても咎める者はいない。

読み終わったのが、「楷書がうまくなる本」(二玄社)。小さい本だが、非常に参考になった。
電車の中で読んでいるのが「文字の書き方くずし方」(秀峰堂)。
次に読むのが、「用筆の基本技法」(木耳社)。
寝るとき読んでいるのが、「漢字と中国人―文化史をよみとく」(岩波新書)。

もちろん、ビデオを見、ボクシングの本や情報は読んでいる。本業なのだから。習字は趣味だ。

ガールフレンドでもいて家内の留守中、会ったりすると楽しいだろうが、そんな存在はいない。もう女にはこりた。残る人生で、趣味としての書道がどの程度まで行けるか。怠けず毎日、自分の問題点、矯正ポイントを直していけば、徐々にいい字が書けるかもしれない(いまはまるで駄目だが)。それと並行して書道史を読み、漢字の歴史をたどり、そして中国の歴史にも目を向ける。その勉強もしないと、いい字は書けない、と思う。

さあ、明日の亀田―アランブレット戦の結果は?
(11−25−05)


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(お問合せもこの電話番号: 受付 午後2時〜7時)


成田空港、ホテル、イタリア語会話帳

午前11時半到着予定のノエル・アランブレットの出迎えに行く。日曜だから道がすいていて11時には着いた。TBSのカメラが来ていて、女性ディレクターがいた。アランブレットの到着後、インタビューの通訳を頼まれた。

「亀田選手が『アランブレットはもう終わった選手だ』といっているんですが、それについてどう思いますか」と聞いて欲しい、と事前の打ち合わせでいわれた。「それは長旅をして来日した選手にいうべきことじゃないでしょう」。ボクサーの尊厳というのを何と心得おる。「では、この質問はやめます」。当たり前だろう。女性でなければ、もっと噛み付いたところだが、そこは抑えた。

アランブレット、モロン・マネジャー、カスティージョ・トレーナー。みんな仲間だ。拳闘屋だ。空港からホテルまで、私が運転。長旅でみんなぐったりしていた。カラカスからミラノまで11時間。ミラノで6時間待ち。ミラノから成田まで10時間。計27時間。ご苦労さん。

ホテルで、金平会長夫人と合流し、食費を渡して出る。ホテルの外で車を停め、車中、TVで高橋尚子の優勝を見る。帰宅してちょっと仮眠。

夜、明日からイタリアへ出かける家内のためにイタリア語の会話帳を作成。A41枚の紙に必要最小限の会話ノートを作った。私は27歳のときイタリアへ行った。そのまえ即席でイタリア語を勉強したことがある。それはスペイン語と似ており、共通する言葉が少なくない(同じロマンス語群だから)。家内の自己紹介のイタリア語の文章も作った。総勢400名もの日本文化使節団の中の和風料理紹介担当だという。

もちろん、私にはしたいことがある。習字であり、ビデオ、DVDで試合を見ることであり、本を読むことであり、体を鍛えることである。しかし、生きるには自己犠牲という要素が必要になる。自分の女房に対して自己犠牲を払わなくてどうする。習字も読書も明日でもいいだろう。

いや、少しなら習字をしてから寝てもいいだろう。
(11−20−05)


会社、ホール

午前中、会社へ寄りちょっとした雑用処理。
今日はOPBFバンタム級タイトルマッチとアマ4冠王、内山高志選手のプロ3戦目の2試合のマッチメーキングをしている。5時45分の試合開始までにはホールに入りたい。車中は、英国BOXING NEWS。

朝、雑用を片付けてからホールに出かけるまで習字。ホールから帰ってからも習字。
(11−19−05)


計量、そして習字

明日のOPBFタイトル戦の計量のため王者クマントーン一行を連れ後楽園ホールに行くと、計量はコミッションだ、といわれた。計量後、東京ドームホテルで金沢会長と徳山、ナバーロ戦についての相談。小一時間で話を終え、一旦帰宅。

家内はいない。来週からのイタリア旅行の準備で忙しそうだ。徳村先生からの返信が来ていた。私は楷書、行書を交互に先生に送り、添削をしてもらっている。直していただいたところを復習し、さらに次の拙作と一緒に送る。無性に書きたくなったが、会社に行くほうが先だ。

最近、私の机の上には毛氈が敷かれ、つねに筆をとる態勢だ。習字の合間に、仕事をしたり、本を読んだりしている感じ。まるで書道家のデスクのようだ。このところ、読むのは書道の本ばかり。今月半ばに習字を再開して以来、書くたびに上手くなる感じ(元が下手だったせいだろうが)。手首の力が抜け、毛筆の柔らかさの生かし方がちょっと分かりかけてきた。こんな上昇期は書き込んだ方がいい。

仕事をしていても、早く家に帰り、習字をしたくて仕方がない。
(11−18−05)


明石家体育大学に出演

世田谷の某スタジオで午後4時入り予定で、2時45分に家を出たら30分足らずで着いてしまった。パソコンを持ってくるのだった。実際始まったのは5時すぎ。

これはWOWOWのサッカー、テニス、ボクシングの3大スポーツ放送を活性化するための共同番組だ。司会は明石家さんま氏で、前列に私たち解説者、後列に太平サブロー氏、須藤理彩氏(彼女、NHKの朝番組、女性大工の話「うらら」に出ていたのでは?)などが座る。各分野のス−パースター、あるいは劇的なシーンを振り返りトークをするバラエティ番組だ。

得意のジョークをいってみんなを笑わせてやろう、と思っていた。ところが、さんま氏の喋りのテンポが早く、なかなか入り込めない。彼はさすが喋りのプロだ。間断なく喋る。ときどき割り込んで話したが、まるで絶え間なくジャブを打つジャバーに対し、ヘッドスリップ、ウィービング、ダッキングしながらインサイドに入ろうとするファイターになったような感じ。

10用意したジョークのうち、7つしか言えなかった。スタジオには約100人くらいの人が立ってわれわれの録画撮りを注視していた。付き添いで来ていた家内は、終了後、さんま氏と一緒に写真を撮ってもらったそうだ。家内は結構ミーハーで、韓国ではホルヘ・リナレスと並んで写真を撮り、喜んでいた(ホルヘは顔が小さいから、顔の大きさは家内の方がずっと大きい)。

最後に、「ボクシングしか見ないというのでなく、他の分野にこれだけ素晴らしいアスリートがいるのだから、サッカー、テニスも見よう。サッカー、テニス・ファンの皆さんもボクシングを見てください」と言って締めくくった。ダジャレよりもそれをいいたかった。

オンエアは、11−27(日)午後4時から6時。

9時ごろ終わり、家内と食事をして帰宅。疲れて習字をする元気なし。疲れたときは早く寝よう。
(11−15−05)


サッカーとテニスの予習

明日、11−27WOWOW放送のさんまの明石家体育大学という番組の録画撮りがある。明日は忙殺されるだろうから、1日早く水曜掲載のスポーツ報知の原稿を書き、近藤さんにEメール。

仕事を早く切り上げ、サッカー(主としてリーガ・エスパニョーラ)とテニス(4大大会の優勝者チェック)の予習。エトーやメッシについては息子(サッカーファン)に電話して評価を聞く。WOWOWの解説者、奥寺康彦氏、福井烈氏の現役時代の業績もインターネットでチェック。それから、サッカー、テニスのプレーヤーの名前を織り込んだジョークを考えた。それから習字。
(11−14−05)


WOWOW音入れ、あと書店

午後1時、スタジオ入り。明日放送のクリチコ、ラクマンの代替番組の音入れ。
暖かい日、新しい革靴をキュッキュ音を鳴らしながら歩くと気持がいい。

帰途、ふと気が変わり、有楽町で地下鉄を降り、東京駅に出て、八重洲ブックセンターに寄る。スポーツ関連の本、そして書道の本、計5冊を買う。

夕食6時から。いつもより大分早い。
夕食後、この「ひとりごと」の11−2以降をまとめて書く。
次のマッチメーキングは11−17だ。明日からまた頑張ろう。
(11−13−05)


終日習字

午前中、プールに行きひと泳ぎ。
午後、明日の木更津の興行の計量に行く。
帰宅後、終日(終日といえないのだろうが)午後から夜まで習字。
「蘭亭序」の徳村先生に添削いただいたところを繰り返し復習。
壁一面に自分の書いた半紙を、「永和九年歳在・・・」とベタベタ貼り付けてみた。離れて見直すとまだまだだな。線が生きていない。字形にこだわりすぎ、線が死んでいる。

筆順、字形を覚えるため、原稿用紙に骨書き(字を筆でなく万年筆か鉛筆で線で書くこと)をし始めた。急がば回れ。これでいいのだ(バガボンのパパ)。
(11−12−05)


習字再開

少々英語ができてもネイティブじゃないのだから、米英国生まれでそこで教育を受け育った人間に語学力、語彙数で及ぶわけがない。日本人ながら、つねに表現の道具として英語のボキャビュラリーを増やし続ける努力はすべきだが、この多忙の中でそれには限界がある。

東洋回帰ということになるのだろうが、米英人に負けない生活要素を日々築かないと、彼らに対する劣等意識にさいなまれる。だから、習字に、漢文に向かわねばならない。

多分、WBA総会で私のスピーチを聞いていた非東洋人の誰より私の方が書道は上だろう(当たり前だが)。「孟法師碑」の徳村先生に添削してもらったものを書き始めた。約1ヵ月のブランクだが、外国語の資料ばかり読まず、時間を割いて習字をしよう。手が思うように動かず。
(11−9−05)


WOWOW音入れ、そしてホール

朝9時半入りでスタジオ入り。2本収録。
終わってすぐ後楽園ホールへ。セミの鈴木、三澤戦は私が仲介したカードだ。この試合はラウンドが10回戦か、8回戦か、で第8ラウンドの途中もめた。白井具志堅ジムからJBCに提出した試合の組み合わせ表が8回になっていたらしい。コミッションはプロモーターから出た組み合わせ表の通り管理していたのだから、コミッションのミスではない。両陣営は10回戦と了解し、プログラムにも10回戦と書いてあったし、リングアナウンサーは8回戦とアナウンスしたのに、誰も8回まで(ウクリッド・レフェリーが両コーナーに「次はラストラウンド」といいに来るまで)気がつかなかった。珍事だが、終わったことだし、まあいいじゃないか。
(11−8−05)


清水のOPBF戦

朝10時にアネック・ホントンカム・レフェリー(タイ)と金会長とホテルで待ち合わせ、一路、静岡経由、清水へ。第1試合開始の午後1時前には会場着。チャンピオンの金正範のマネジャーに私からファイトマネーを渡し、試合開始を待つ。

何と挑戦者、柏樹崇の初回KO負け。三津山会長がこれだけ苦労して、一旦延期した試合を静岡から清水に移し興行したのに、ああ無情。

会長を慰め、「また頑張りましょう」と激励し、また3人で東京にもどる。ホテルで一緒に夕食。疲れてはいるのだろうが、ボクシングを観ると血が騒ぐせいか、血行がよくなり、疲れを感じない。しかし、今週は体力を回復する方がいい。無理はよそう。
(11−6−05)


稲田のKO防衛

稲田選手は見事KO防衛。韓国の李永範もよく頑張った。こんなピンチのときのためにも、現地の下請けマッチメーカーを大事にしておかなくてはいけないと実感。金会長に感謝。

自分の体調はわかる。疲れている。明日、清水でOPBFタイトル戦がある。終わるとすぐ帰宅。早くやや少なめの夕食をとり、早々に寝る。
(11−5−05)


帰国して出勤

午後2時前、羽田空港着。帰りは私が運転。車の中でパソコンを打つ必要もない。運転しながら、頭の中で、昨日のスペイン語のスピーチを自分でどの程度憶えているかチェックしていたら、ミスを発見。また5点減点で、90点だ。来年のWBA総会は東京の可能性がある。また何かスピーチさせてくれないかな。

帰途、そば屋に寄り、帰宅後、一休みしてから出勤。結構、遅くまでいた。ピンチヒッターの韓国のチャンピオンは昨日、無事来日し、今日の計量もパス。よかった。
(11−4−05)


スペイン語でスピーチ

総会は9時半ごろから始まる。
席に着いて待機していた。手にはスピーチ原稿(スペイン語、および英語)とスライド用のCD−ROMを持っている。原稿のコピーは通訳の婦人に事前に手渡しておいた。このWBA専属の通訳は毎年来ているが、非常に上手い。

スライドの前にいつもおいてあるWBAのパソコンがない。はっと気づき、部屋に自分のパソコンを取りに戻った。

会議の大広間に帰ってくると、家内が「つぎはあなただって、探していたわよ」という。すぐ前に行き、出番に備える。WBAの助手担当はパソコンを用意していた。ちょうど入れ違いだったようだ。

CD−ROMのスコアシートをスライドに映すと、非常にいい。メンドサ会長が別の議題について話していたのが終わり、出番が来た。

20分の予定が30分かかった。それはゆっくり間をおきながら、スピーチをしたためだ。後で通訳が私の用意した英文を読み、それが翻訳機に送られるのを確認してから、つぎの文章を読み上げる。

まあまあの出来だった。1個所、メンドサ会長にミスを指摘された。スライドで説明し終わる前、「・・・ですから、ボクサーBが勝者です」と言ったらしい。自分ではボクサーAと言った積りなのに。「勝者はボクサーAだろう」と言われて、「その通り」と訂正した。このマイナスがあるから、現在の自分のスペイン語の実力では、95点くらいだろう。

拍手喝采。みんなが注目した中で何か演説する。終わると、反応が返ってくる。だから、スピーチが好きなのだ。最後に、「助言をもらったメンドサJr.氏に感謝する」と述べるとまた拍手。しかし、すべての出席者が私の講演「現行10点法への懐疑」に賛意を示したわけではない。アメリカの関係者で、「10−10許容の昔にもどれはしない」と否定的な意見を述べてきた人もいた。
(このスピーチの要約を、12月号のワールドボクシング「東洋から世界へ」に掲載)。

全然あがらなかった。会議室に戻ったらすぐ出番が来たので、あがる暇がなかった。それと前日、集中的に反復訓練をし、重要な個所はそらでも言えるように用意していた。備えあれば憂いなし。それと、「つねに強気で生きる方法」においても説明したが、「こんなの失敗したところで大したことないよ」と自分の中で、目標を呑み込んでいた。あまりうまくやろう、と緊張しすぎると、よくない。自分なりに一生懸命、力まずにやればいいことだ。美空ひばりが唄っていた。「勝つと思うな、思えば負けよ」と。無心でやればいい。それでいいのだ(バガボンのパパ)。

午後1時からツアーがあり、世界遺産の昌徳宮(チャンドックン)にバス3台で行った。車内で「さっきのスピーチよかったよ」とイカサの爺さん(パナマ)にいわれ、礼を返す。景福宮の離宮として李王朝3代目、太宗により1405年に建造されたが、文禄の役で焼け、再建されたものだという。文禄の役というのは豊臣秀吉が指示した朝鮮侵略戦争で、1592年、加藤清正、小西行長率いる15万の兵が首都京城を陥落し、朝鮮北端の豆満江まで達したが、中国(明)軍の応援部隊、さらに李舜臣の朝鮮水軍に敗れ、結局、和平交渉が行われ、日本軍が撤退したもの。豊臣秀吉は日本では英雄だが、韓国では侵略者で悪の象徴らしい。日本というのは文禄、慶長の役、征韓論、日韓併合と、つねに韓国を領土拡大の対象にしてきたわけだ。

4時にもどり、急いでカレーライスを食べ、部屋でセコンドシャツに着替え、今夜のカードのメインに出場するホルヘ・リナレスの補助につく。田中繊大トレーナーとマニー・シアカ氏がついているので、私などいなくてもいいのだが、一応マッチメーカーなので5時出発組に同行。WBAのメンドサ会長はじめ一般出席者は7時にホテルを出るバスで試合場に向かう。

ホルヘは初回見事なKO勝ち。メイン・イベントのカール・モレッティ・マッチメーカーは試合後、私のことを「ミスマッチ・ジョー」といった。確かにホルヘの方が強すぎた感はある。
長い一日だった。
(11−3−05)


大事件発生!

昼頃、携帯に事務所からここ韓国に電話。
土曜、稲田選手のOPBF王座に挑戦するインドネシア王者ラリー・シウーが予定の便で来日しなかったという。インドネシアのマッチメーカーに電話すると、昨夜、夜行便に乗るためジャカルタ空港で待ち合わせていたが来なかったという。理由を聞くと、10ポンド以上オーバーウェイトのため自ら試合をキャンセルしたそうだ。

至急、本田会長を探すと、コーヒーショップでフランスのアカリエス・プロモーターと話していた。そこに韓国の金会長もいた。紆余曲折はあったが、なんとか韓国チャンピオンをピンチヒッターに立てることができた。

総会は、午後、各級指名試合の協議をしていたが、それどころではない。やっと何と片がついたが、どっと疲れた。こんなギリギリまでインドネシアのマッチメーカー、マネジャーは何をしていたのか。きみたちには責任感はないのか。無性に腹が立ってきた。

空港で携帯電話をレンタルしておいてよかった。インドネシアと日本に交互に電話でき、助かった。

夜、9時半から12時半まで部屋で明日のスピーチのため予行演習。大体1回読むのに20分だから、6回くらい繰り返した。途中、ミスした個所、発音が滑らかにいかない個所を集中的にやり直す。
言いにくかったのは
extremadamente エクストレマダメンテ(英語のextremely)
entusiasmo エントゥシアスモ(英語のenthusiasm)

家内は疲れたといって、途中から寝た。抑揚をつけ、強調するところはゆっくり声を大きくし、何度も繰り返す。アナウンサー方式で下を見たり、前を見たりのスピーチ形式にした。メンドサ会長Jr.に事前にチェックしてもらったが、難しい言葉を使っているので、全文暗唱は無理だ。その分、発音を正確にしよう、と心がけた。

WBA総会のオフィシャル・セミナーは本当は金曜なのだが、問題の土曜のOPBF戦のマッチメーカーなのでその金曜には帰国する。だから、メンドサ会長Jr.(WBA事務局長)には木曜にスピーチを繰り上げて欲しい、と頼んでいた。大丈夫だろうな。これだけ練習したのに。部屋に電話するといない。

だから、メモに「明日、予定通り、スピーチさせて欲しい」と書き、ホテルの部屋の下からその紙を差込みに行った。くどい奴だな、と思われたかもしれない。しかし、それは私の流儀だ。私は生きることにおいて前向きに努力する。しり込みはしない。

家内の寝息を聞きながら、寝酒に缶ビールを飲みながら、もう一度スピーチ原稿をチェックした。一箇所、修正した。
(11−2−05)