8月も今日で終わりか。8月はランディ・スイコが2週間来日しトレーニングに付き合っていたのと、オリンピックばかり見ていたので今月はいつもより読書量が少なかった。イチローは8月に50本もヒットを打ったのに(関係ないか)。しかし、4年に1度、いろんなスポーツを次から次に集中的に見るのは非常に勉強になった。
先週の水曜だったが、新聞の新刊広告を見て、すぐ本屋へ行った。「韓国の軍隊」(中公新書)だ。韓国の徴兵制には大いに興味があった。マッチメークをしていて、いまの韓国ランキングは歯抜けそのもの。フルに10位までリストアップしているクラスはわずかで、残る選手に声をかけると、「兵役中」とか「帰省労働中」ばかり。
以前、韓国の兵役は26ヵ月と聞いていたが、この本を読むと24ヵ月に短縮されたらしい。2年もの間、不活動の選手をランキングに残すのはどうかと思うが、韓国では名誉の入隊なのでランクからはずせないらしい。
これまで兵役中の選手に東洋太平洋タイトル挑戦の話を持っていき、その都度、断られた経験がある。この本を読んでみて、兵役の厳しさが分かった。これでは日本でOPBF王座挑戦のため短期といえども休暇は取れないだろう。
北朝鮮の脅威があるから、徴兵制度を取っているのだろうが、持って生まれた素質が勝負のスポーツや芸術の分野で2年もの不活動期間があることは、素質開花という面から見ると大いに影響があるだろう。ただし、ものごとプラスとマイナスの側面があり、徴兵制度は韓国の若者たちに規律を叩き込み、体位向上をもたらす面もある。
その他で面白かった本は、「地名から歴史を読む方法」(KAWADE夢新書)だ。マッチメーカーとして名古屋や関西に出張するとき、在来線で聞く地名の由来が書かれてあり、旅の標(しるべ)として興味深かった。標(しるべ)を知るべ。
この著者の「世界地図から歴史を読む方法」、「日本地図から歴史を読む方法@A」も読んだ。関が原、桶狭間(緑ジムがある所)、川中島など学生時代習った日本史が地図の中でよみがえってきた。こういった歴史的教養を持って世界を旅すれば面白いと思うが、まだまだその域には達していない。
今日、朝日の夕刊に川嶋勝重選手のインタビュー記事が出ていた。大橋会長に、ヘトヘトになったとき、「これからが本当の練習だ」といわれた話が出ていた。私もこれからが勉強だ、と思う。仕事の合間、小さな時間を見つけて知識を積み上げること。それが私の「小さな戦い」だ。カフカに同名の短編があった。敵は他人ではない。自分の怠け心だ。ボクシングのことしか知らないようでは駄目だ。世界はボクシングを中心に回っているのではないのだから。
明日はタイソン、ウィリアムス戦の音入れ。放送は5日(日)午前11時から。
今日から五輪休載で2ヵ月休んだスポーツ報知の「ウィークリーBOXING」執筆再開。明日、1日(水)から掲載。毎週、水曜掲載。
(8−31−04)
今回のオリンピック大会は日本人選手の活躍もあり、よくテレビを見た。
ほとんどすべての種目を中継、あるいはニュースで観戦した。
自分なりに総括してみよう。
(1)驚いたこと
井上康生の敗北、ラドクリフの途中棄権、米国バスケットボールチームの敗北。
(2)感嘆したこと
エルゲルージの1500m、5000mの2種目優勝。
1万m優勝のベケレと争って5000mで勝ったのだから大したものだ。
(3)意外に面白かった種目
女子ハンドボール(デンマークと韓国の決勝を見たが、スピードとパワーが
共存するのを見せられ、最初から最後まで見てしまった。NHKの中継は
最後まで映らなかったが、デンマークが7mスロー合戦で勝ったそうだ)。
(4)何を見ていたか
試合前の選手の緊張ぶり
劣勢になったときの選手の表情
試合後の選手のコメント
解説者の解説ぶり
日本人選手たちはよく頑張った、と思う。
連日のメダルラッシュがあったから今回の五輪は盛り上がった。
プロボクシングも日本人選手が世界戦線にもっと食い込んでいかねばならない、
と感じた。
(8−29−04)
以下はランディを日本で練習させたトレーニングの一部だ。
1−2(ワン・ツー)を3通り打つ。すべてワン・ツーのリズムで打つ。
1−2(ワンはストレート)
1−2(ワンは左フック)
1−2(ワンは左アッパー、顔面)
相手のガードの位置、上体の前傾具合(前かがみか、アップライトか)、
互いのポジション、タイミング次第でこの3つを自在に打ち分ける。
<3つ目を左フック>
1(ストレート)−2−左フック
1(左フック)−2−左フック
1(左アッパー)−2−左フック
<3つ目を左アッパー、顔面>
1(ストレート)−2−左アッパー
1(左フック)−2−左アッパー
1(左アッパー)−2−左アッパー
<3つ目を左ストレート>
1(ストレート)−2−左ストレート
1(左フック)−2−左ストレート
1(左アッパー)−2−左ストレート
この3つ目は軽いジャブでなく、ナックルを返し、強く左ストレートで打つ。
<リズムのつけ方>
123 (間をおかず、ワン・ツー・スリーで打ち込む)
12・3 (ツーとスリーの間に半テンポ置き、相手の顔面の移動方向を瞬時確認して
3つ目のパンチを左フック、左アッパー、左ストレートのいずれか自分で選択する)
棒立ちで顔面の位置があまり動かない相手には、123
ボディワークがいい相手に対しては 12・3
比国で繰り返し練習してほしい。
(8−28−04)
ランディ・スイコは2週間のトレーニングを終え帰国した。
実のある練習ができた、と思う。
今回の練習は、タイミングのトレーニングだった。
相手が打ってきたとき、出来るだけ小さな動作ではずし
すぐ打ち返す練習が主だった。
日本ではいい練習が出来たと思うが、それを比国でも継続
できるかどうかが問題だ。
ランディにはハードパンチャー特有の力みがある。
打つ直前、打った直後、もう少し肩の力を抜けば、
もっといいパンチが打て、もっと防御反応がよくなる。
体を硬くして打ったとき、そのパンチはプッシュ気味になり、
衝撃が一点に集中しない。パンチが切れない。
本人は力を込めて打っている積りが、意外に効かない。
軽く打ち出し、当て際で打ち抜く感じの打ち方が効く。
そのためにはガードを構えているとき、肩の力を抜く練習が
必要だ。自分なりに工夫して、体を振ったり、足を使う動作の中で
肩、背中の力みを取る。打てる(当たる)と感じた瞬間、
すぐ体が反応するように体(特に肩とヒザ)を柔軟にして待ち構える。
これ(カンター狙い)を自分から攻めるパターンとミックスする。
相手がガードを固めている間は、クリーンヒットが難しい。
だから、相手の打ち始め、あるいは打ち終わりがクリーンヒットを
決めるチャンスになる。
22日に帰国したが、成田空港でトラブルがあったらしい。
ランディの予約は入っていたが、アブラカ・トレーナーの予約がリコンファーム
されていなかった。私は岐阜の小西、ホルダ戦(無敗の強打者、小西の勝ち)に
出張していたので、家内が彼らを送って行った。
オーバーブッキングでアブラカの席がないところを、フィリピン航空の厚誼を
受け、なんとか乗れたそうだ。感謝。
アブラカは「マネジャー(私)がリコンファームしてくれている」と思ったらしい。
私は「朝と昼間の練習以外はフリータイムなので航空会社に電話してリコンファーム
くらい自分でしているだろう」と思った。
あとで、比国に電話しアブラカと話した。
毎日の練習でへばっていたので、自分でリコンファームできなかった、という。
私は、明日何の練習をするかばかり考えていたので再確認を忘れた、といった。
軽量級と違って、スーパーフェザー級あたりになると世界のトップクラスの実力は
高い。東洋のレベルをはるかに超越するくらい強くないと、とても世界を目指せない。
ランディの次の試合は10−23、比国セブでインドネシア王者イブラヒムとの
防衛戦だ。
(8−26−04)
ふと思いついた。
WBA、WBCの世界挑戦資格は15位までで、
WBAは15位までランキングを発表する
(WBCは40位まで発表)。
日本ランキングも15位まで発表し、
上位10名は日本タイトル挑戦資格あり、とすればどうか。
国内ランキング入りの実力、実績があるのにそのクラスのトップテンが
つかえていて、数ヶ月待たせたり、あるいはさしあたり上か下か別の
クラスに入れるような臨時処置が解消される、と思う。
これは私自身2ヶ月前、ワールドの「東洋から世界へ」に書いた
公式B級ランキング新設よりベターなアイデアだ、と思う。
(8−23−04)