ジョー小泉のひとりごと 2004年3月後半


ビデオ392『スリリングKO集』

ビデオの宣伝ではないが、後楽園ホールで観戦して帰宅後、スリリングKO集かシュガー・レイ・ロビンソン集を見ることがある。
私はノックアウトのあと、倒したパンチの軌跡が残像としてのこるような試合が好きだ。
ボクシングは真剣勝負だから、時には両者がかみ合わないこともあり得る。
KO,TKOで試合が終わっても、連打で相手が屈服したり、レフェリーが安全を考慮してストップする場合がある。
そんなある種の消化不良を感じたとき、家でこのKO集やロビンソンを見直す。
私にとり、この「スリリングKO集」は太田胃散のようなものだ。


WOWOW音入れ

今日、久しぶりのWOWOW音入れ。
デンマークに行っていたので、前回のモズリー、ライト戦はパスさせてもらった。

今日、音入れしたのは、
3−22(今日)放送の
ディエゴ・コラレス 対 ホエル・カサマヨル
ラファエル・マルケス 対 ピート・フリシーナ
アントニオ・マルガリート 対 ハーキュレス・キベロス

3−29放送の
アルツロ・ガッティ 対 ジャンルーカ・ブランコ
フランシスコ・ボハド 対 エマヌエル・クロティ

今日、終わったのが7時半ごろで、事務所には寄らず帰宅。
雨が降り、道が混んでいそうだったので、車で行かず電車で。
電車がいいのは、往復の車中、読書ができること。
電車でよくないのは、車中、マナーの悪い若者を見ること。

帰宅後、マッチメーキング・フォローのためEメール。
いま4−10の池、ブロディ戦の池仁珍一行のホテル予約などを
している。
(3−22−04)


「即興詩人」読めず

デンマークで予定していたのに出来なかったことがある。
(1) 書道の道具を持参したのに一字も書けず。
(2) 森鴎外訳のアンデルセン「即興詩人」を読みきれず。
(3) ホテルにプールがなかったので泳げず(デンマーク人はあまり泳がぬらしい)。

日本で毎日筆で論語を書く習慣が出来ていたのでそれを継続しようと思った。旅行鞄の中に書道セットを入れていった。ところが、デンマークのホテルに入ると、それを取り出し、ゆっくり字を書く雰囲気にならない。仲選手の世話係として、計量時間の確認や応援団のチケットの受け渡し、VIP席の手配など結構、忙しかった。さらに部屋のテレビはスペインのテロ事件で二〇〇名余りの死者が出たニュースを流す。テレビを切って書道に専念すればいいのだが、画面から眼を離せず、書道の方は結局手つかずになった。

日本人の作家では森鴎外が一番好きだ。旅先で鴎外の漢字の多い文章を読むと、気が休まる。ところが、「即興詩人」だけは読了したことがない。今回、アンデルセン(デンマークでは、H.C.Andersenをホ・セ・アナスンと呼ぶ)の母国で「即興詩人」を読んでみようと思い、それを持参した。しかし、読みきれなかった。

デンマーク語でさえ辞書を引きながらなら読めるのに、日本語の文語体が読めない。情けない。即興詩人というテーマ自体に興味がないせいもあろう。いつかこの「即興詩人」にまた挑戦してみよう(少なくとも過去10回は読みかけて挫折している)。

特にデンマークという国が好きなわけではない。だが、旅をする前にその国の歴史を一応、当たっておこう、と考えた。日本でデンマーク史を一通り読んでから旅に出た。言葉も日常会話程度は出来るようにしてから行った。今回はいいが、毎回旅行前、こんな風に歴史や言葉を予習することを自分に課すと、きっと旅に出ることに拒否反応が出るのではないか、とも思った。

デンマークではいろんなことがあった。それを書いていると、ひとりごとが前に進まない。だから、デンマーク旅行記はリング・ジャパンの会報に長く書くことにしよう。幸い、いくつかの名所でデジカメ写真も撮った。会員の皆さんは乞うご期待。


デンマークからの速報メール

WBAバンタム級タイトル戦
ジョニー・ブレダール(デンマーク)
判定12回3−0
仲宣明(尼崎)
採点:タロン(仏)117−112、アバインザ(比)118−109、ドゥンカン(パナマ)117−111

仲は動きが硬く、初回からブレダールがジャブ、1−2でポイントを重ねる。
4回、サークリングばかりしていたブレダールが仲が打ち終わり体が硬くなったところに、
ロングの左フックをヒットし仲は尻餅をつくダウン。

だが、6回に仲の連打からの左フックが当たり、初めてポイントを取る。
しかし、ブレダールはペースを渡すまいとジャブを多用し、7回と8回はほぼイーブン(ということはブレダールのポイントか)。
後半、追い上げ、9回と12回を取った。
全般的にブレダール(35歳)が経験と技術で勝ったが、仲(25歳)も後半はよく攻め込んだ。

日本の速報メール会員にこのリポートを送ったのは現地午前3時ごろだった。
興行がすべて終わったのが午前1時。会場を出てホテルに着いたのが2時すぎだった。
なぜこんなに遅くなったかというと、仲選手のドーピングテストが終わらず、みんな
待っていたからだ。脱水状態の仲選手は2リットル以上、水を飲んだが、それでも
尿がでなかった。世界戦をフルラウンド戦うということは、それだけ激しい発汗をともなう
運動なのだろう。
関西地区では読売TVで日曜の夜、この試合の放送があった。
ファンは仲選手が後半ずっと相手を追い詰める場面を見ただろう。
試合後、欧州各地から集まった関係者がみんな「仲はビッグ・ハートだ。いい試合をした」
と誉めた。


私のデンマーク語速習法

CD付きの「語学王 デンマーク語」(三修社)を使った。
他にCD付きのデンマーク語テキストがなかった。

2週間でほぼ会話できるようにするために、次の方法をとった。
(1) 3日半: この本を読みきった。
(2) 1日半: 復習した。
(3) 10日間: トリプル世界戦の合間、岐阜へ行く新幹線の中でCDを聞きながら、テキストを復習した(といっても1日1時間程度)。

デンマーク語の発音の難しさに一寸てこずった。
私の頭は文法を覚えるのに適しているようだ。他の国の言葉をかじったのが、それを助けている。
(1) の段階は記憶より理解で、ともかく前に進み、語学書を読みきることに専念。
(2) この(2)の段階で、重要な部分だけ記憶した。
(3) あとの記憶はCDを聞きながら。ネイティブの発音で覚えようと努めた。

私のような語学マニアでない旅行者には、「旅の指さし会話帳 デンマーク」(情報センター出版局)を勧める。

デンマーク語を独習し始めたとき、丸の内の八重洲ブックセンターの語学書の階で、Collinsの小型デンマーク語―英語辞書を探した。店員によると、Collinsではデンマーク語のそれは出ていないといわれた。

だから、コペンハーゲン(現地発音では、コブンハウウン)に着くと、翌日書店でengelsk-dansk、dansk-engelskの小型辞書を買った。99クローネ(約1800円)で、CD−ROM付き。他の品物は日本より高いのにこの辞書は安いように思った。

デンマークでは仲選手一行の世話係だから、あまり観光やショッピングは出来なかった。だから、ホテルでこの辞書を使いながら、現地の新聞を読んでいた。

次に来るときは仕事でなく、観光で来たいと思う。ただし、冬ではなく夏に。今回、外はほぼ零度近く、とても気楽に散歩できる空気ではなかった。耳がちぎれそうで、デンマーク人でさえ耳を覆うスキー帽をかぶっている人がいたほどだ。


デンマーク語の挨拶

9日、成田からコペンハーゲンに向かう飛行機の中でデンマーク語のスピーチを書いた。11時間後、現地の同日夕方4時に到着し、ホテルに入ると、仲選手がロビーでインタビューを受けていた。松浦トレーナーに聞くと、前日、共同公開練習、兼記者会見があったという。

「折角、記者会見用のデンマーク語スピーチを用意してきたのに」とティーム・パレのコーディネーター、ポールに言うと、「計量のときにスピーチすればいい」と言われた。12日の計量まで、毎日これ(下記)を暗誦し、ホテルのフロント係(彼らが暇なときに)にも聞いてもらい、発音とイントネーションを矯正してもらった。

Goddag.
Jeg hedder Joe Koizumi, matchmaker fra Japan.
Jeg kommer fra Japan på ens vegne Mr. Honda.
Vi er glad for chancen og takker til det promoter Mr. Morgens Palle og Ms. Bettina Palle.
Selvfølgelig Johnny Bredahl er en stræk verdensmester, men Nobuaki Naka vil gerne tage det mesterskab fra Bredahl.
Naka vil gøre mit bedste.
Tusind tak.

発音はこうなる(その難しさが分かるだろう)。
ゴデー
ヤイヘーザじょー・こいずみ、マッチメーカーフラヤーパン
ヤイカーマフラヤーパン ポーインヴァイナMr.ホンダ
ヴィアーグラフォアチャンセン オグタッカーティ(ル)ディプロモーターMr.モルゲン・パレ オグ Ms.ベッティナ・パレ
シィフェリー ジョニー・ブレダール エアインストレックヴェルデンスメスター メン のぶあき・なかヴィ(ル)ガーナターディメスタースケップフラブレダール
なかヴぃ(ル)グァーミッベスト
トゥースンターク

初めまして。
私は日本のマッチメーカーでジョー小泉と申します。
私は本田会長の代理として日本からまいりました。
われわれはチャンスを頂いたプロモーターのモルゲン・パレ、ベッティナ・パレに感謝いたします。
確かにジョニー・ブレダールは強い世界チャンピオンですが、仲宣明はブレダールから世界タイトルを獲りたいと思っています。
仲はベストを尽くします。
ありがとうございます。

折角、何度も(少なくとも30回)暗誦したのに、12日の計量といったら雑然そのもの。とてもスピーチをさせてくれる(したとしても、誰も聞いてくれる)雰囲気ではなかった。

計量後、ロビーに下り、フロントを通ったとき、スピーチの教師役のフロント係ハロルドが訊いた。
「スピーチはうまくいったかい?」
私は苦笑して答えた。
「彼らは私のスピーチを聞く耳を持っていなかった」
ハロルドは笑った。あんなに一生懸命、リハーサルをしていたのにと。
私は少し残念に思った。
しかし、スピーチの練習はデンマーク語のトレーニングになった(と負け惜しみ)。
ネクスト・タイム(あるかな?)