ジョー小泉のひとりごと 2003年12月前半


どうすればもっと観客を呼べるか?

一週間に三度、四度と後楽園ホールで試合がある。名古屋、大阪、九州地区でも東京ほどではないにしろ、定期的に興行がある。

いつも考えるのだが、どうすれば「これがいいカードだ」と一般のボクシング・ファンに伝達できるのだろう?

大体、何月何日、こんな試合があるという情報をファンはどのようにして知るのだろう?

(1) マガジン、ワールドの専門誌
(2) スポーツ新聞(試合の予告、予想という面では情報が少ない)
(3) ポスター(これを見る人の数は限定されている)
(4) ダイナミックGやダイアモンドGなどのパンフレットによる次回予告
(5) 同様に、テレビによる次回の予告
(6) ホームページを持つジムの試合予告
(7) ファンクラブを組織するジムの月報
(8) マニアが作るHPによる試合スケジュール
(9) 協会が出す月間日程表(これは全国の各ジムに貼ってある)
(10) 口コミ
など

たとえば、ボクサーAとボクサーBの試合が好カードであることのアピールはどうすれば、もっと効果的に一般に浸透するのだろう?

情報には大別して二通りある。
予告情報と結果情報だ。

スポーツ新聞では、普通の試合については結果情報が載るだけの場合が多い。昔は、来週の好カードといったコラムがあり、その予想記事が掲載されていた。

「おっ、ジョー・メデルが金沢和良とやるのか」といった具合に一般ファン(この一般ファンというのは、専門誌を買って読みはしないが一応、ボクシング・ファンの仲間に入る人たち)に試合の存在を知らせる役目を果たした。

こんな手は使えないだろうか。
理髪店のような人が集まる業種の組合に協会が話を持ちかけ、協会の日程表を全国各地(特に都内)で貼らせてもらう。床屋でもボクシングの切符が買えるようにし、その床屋さんには何割引かでチケットを卸す。

理髪店だけに限らず、喫茶店組合、中華料理組合、コンビニ・チェーンなども対象になる。駄目もとで、いろんな人の集まる業種の組合に当たってみてはどうだろう。

繰り返すが、ボクサーAとボクサーBの試合が好カードである情報告知にもっと力を入れる方法はないだろうか?

協会の広報活動のあり方に改善の余地はないだろうか?
試合会場に行くと、パンフレットに「試合の見どころ」が書いてある。あれを集約して、試合の日程表に織り込むことが出来ないだろうか? 1ヵ月に約25興行以上もあるから、日程表のスペースも一杯だとすれば、一行キャッチフレーズでもいい。「15連勝中のホープ対過去2度日本王座挑戦のタフガイ」程度でもいい。

興行ごとのパンフレットに「来週の(来月の)試合の見どころ」といったチラシ(見どころ集)を協会が作り、各プロモーターの許可を取り、そのチラシを入れ合う。

私にいわせれば、昨日の速水vs.刈屋戦なども、どちらが勝つか分からない実力伯仲の好カードだ。しかし、それを専門誌を買わないような一般のファンに伝達する方法がいまはない。だから、好カードなのに客席はまばらだった。

水曜の榎とタイ人選手のカードでも、榎は無敗のハードパンチャーで日本1位だし、この前哨戦に勝てば、来年のチャンピオン・カーニバルで日本タイトル挑戦も計画されている。榎の強さをもっとアピールして客をもっと呼び集める方法はないのだろうか?

アメリカでは、プロモーターはジャーナリストに記者席を割り当てるとき、チケット販売に貢献する予告情報をより多く書くメディアにはいい席を与える。試合結果だけを書く後追いのメディアには、後の方の記者席を与える。非常にドライだが、あれはプロモーターから見れば、妥当な席の分配法なのだろう。(日本の場合は記者クラブがあるから、ボクシング記事の多い少ないで記者の席に上下はつけられないが、要は予告情報をもっと書いてもらう工夫が必要だろう)。

記者諸氏に書いてもらいたければ、記事になるようなネタを提供できるだけの選手のスター性が必要なのだろう。もっとボクサーたちをスター扱いする風潮が必要ではないか。昔、オリンピック・オーデトリアムの興行では、ジミー・レノンの親父がリング・アナウンサーをしていて、メインの前にその日、会場に来ている現役選手をリングに上げていた。

私が協会長なら、あれを徹底的にやる。メイン・イベンターで試合会場に来ている選手(リングに上がっても映えるようにお洒落なダンディな格好を義務づける)をメインか、セミの前に、ジムやTVの系列関係なしにみんなリングに上げる。リング・アナウンサーは試合予告を毎カードごとに、くどいぐらい繰り返す。毎回だから、選手に喋らせなくてもいい。どうせ、「頑張ります。応援よろしくお願いします」程度のことしか言わないのだから。

ボクサーあってのボクシングだ。ボクサーをもっとスター扱いし、ファンがあこがれ、彼の次の試合を見に来たくなるような厚遇(厚い待遇という意味だ)をしたい。

何かもっと工夫して、試合会場にもっと観客を増やす方法がないかな?
(12−13−03)


『いまボクシングはどう動く?』表紙・最終色校正終了

武蔵野印刷から電話があった。
いま印刷中だが、表紙の最終色校正を見に来て欲しい、と。
会社に出る前に寄った。

溝部社長からそれを見せられ、それに魅せられた(これは駄洒落)。
紺色で、非常にシャープだ。
VERY GOODだ。

「納期の20日に間に合うでしょうね?」といつもの念押し。
大丈夫です、という返事をもらった。
GOOD。

予約いただいた皆さんにはクリスマス前に届きます。
メリー・クリスマス。
(12−12−03)


長野の高校へ講演に行く

昨日、会社に出ると机の上にメモが置いてあった。
長野中野西高校の英語科の東海先生からの講演依頼だった。

今日電話で話し、それを受けた。
2月の中頃、2時間の講演をする。

拙著「これで通じる英会話」をベースにし、
『私の英語学習法』というテーマで話す積りだ。

言葉というものは、
読む Read
書く Write
話す Speak
聴く Listen
の能力を調和して向上させねばならない。

そのために、若い頃の私がどんな試行錯誤をしたかを話す。
辞書の引き方、第二、第三外国語を学ぶことの薦めも話したい。

私がいいたいのは、言語における速さ、スピードだ。
読むスピード、書くスピード、話すスピード、そして聴くスピード。
正確さはもちろん重要だが、それに加え、速さを鍛えなくては
その言語は効果的に使えない。

長野における講演を楽しみにしている。
非常にユニークな講演になるだろう。
(12−11−03)


亭主持つならカットマンをお持ち

歌謡曲にこうある。
亭主持つならヤクザはおよーし・・・
確か、フーテンの寅が新珠美千代(三千代だったかな)扮する旅館の
後家さんに恋慕して番頭役をつとめながらいつものように振られ
また旅立つときにこの歌が流れていた。

それをもじって、
亭主持つならカットマンをお持ち、という話。

今日、ホールで榎とタイ人の試合を見てか帰宅。
家内が料理している最中に、指を切った。
上でEメールを見ようとPCを立ち上げているときに下から呼ばれた。

かなり激しく出血している。

そこで、カットマンのバッグから止血剤を取り出した。

まず、指のつけ根を輪ゴムで縛った。血の勢いを鎮めるためだ。
さらに、アドレナリンの1/1000溶液をあて、血管を収縮した。
しかし、なかなか血が止まらない。指の身を削るように大きく切ったためだ。
それを数回、繰り返したが、まだ出血している。
血管の収縮効果はあったと思う。

つぎに、もぐさのようなアビテンを当てた。
これは本来よく効くのだが、家内はそれが身に当たると「痛い、痛い」という。
アビテンは中止。

つぎに、スポンゼルを小さく切り、バンドエイドで止めた。
そこまで処置し、ビールを飲んでいると、「また血が出だした」と叫ぶ。
それは勝手に輪ゴムを緩めたためだ。

もう一度、輪ゴムをしめ、新しいスポンゼルに替え、またバンドエイドで
締めなおした。
これで血は止まった。

この程度の出血は止められる。
止血の構造を少しは知っているからだ。
だが、家内の出血のおかげで大根おろしをさせられた。
家内は料理中、指を切ったのは生まれて初めただという。

この程度の血を止められないようでは、世界タイトルマッチで止血はできない。
亭主持つならカットマンをお持ち、という話。
(12−10−03)


往復10時間 試合は2分49秒

OPBFタイトル戦をマッチメークしていたので徳山まで日帰りした。

東京 7:50(のぞみ)
広島 11:48 (所要時間3:58)
広島 12:09(こだま)
徳山 12:42(所要時間33分)

徳山 18:44(こだま)
広島 19:22(所要時間38分)
広島 19:21(のぞみ)
東京 23:26(所要時間4:05)

試合は、挑戦者でWBC4位のロデル・マヨールがチャンピオンの大中元気を
1回2:49でTKOし、新チャンピオンになった。

会場の徳山大学体育館は底冷えがする寒さだった。
徳山市長と徳山大学学長の演説が長かった。あれで大中の体が冷えたのではないか。

マヨールは挑戦者だから、最初から出てくるのは予想できた。
大中としては、最初はフットワークを使い、長いリーチを生かしサウスポーの右ジャブ
を伸ばして、マヨールを空振りさせ続け、スタミナの浪費を誘うのも手だった。

右手を伸ばして、相手を中に入れない工夫をしていれば、試合は後半までもつれこんで
いただろう。その展開になれば、大中に勝機が生まれたかもしれない。

大中選手はまだ若いし、ミニマム級としては体格に恵まれている。
失意落胆せず、捲土重来、また上を目指して欲しい。

徳山は市制改革で、周南市と呼ばれるようになったそうだ。

広島に会社勤めをしていた頃の同期の親友がいて、「徳山まで試合を見に来ないか」と
誘ったが、奥さんの体調のため今回は遠慮したいとのことで会えなかった。

速報メールは会場から試合直後に送信した。

試合前の国歌演奏の最中、武蔵野印刷の社長から携帯に電話があった。
校正についての質問のようだったが、試合中なのであとで電話する、といって切った。
マヨールのTKO勝ちが衝撃的で、約束した電話を忘れてしまった。

彼の質問はこうだった。
判定は115−113,116−112、117−111の3−0だった、という文章で
3−0が場所により3対0になっているが、統一したほうがいい、というものだった。
判定の3−0,2−1,2−0などは「対」を入れることで統一してもらった。
ああ、彼は日曜なのに私の本のために出勤して校正チェックをしてくれていたんだ。
それなのに、私はボクシングに熱中して電話を忘れた。
彼は私の電話を待ち、夜まで事務所にいたのだろう。
済まないことをした。反省。
(12−7−03)


『いまボクシングはどう動く?』校了

最終のゲラ(校正刷り)が今週初めに出たが、忙しくて
チェックする時間がとれなかった。
しかし、最終チェックをして約束した4日(木)の昼までに
それを印刷所に出した。

これで12月20日発売に間に合う。

新書版なので電車のなかでも気軽に読める。
眼が速く進むよう、字面(じづら)を工夫した。
1項目、見開きでコンパクトな構成にした。

スポーツ報知に連載したコラムに手を入れたものなので
1回あたりの字数も適当で、読みやすいと思う。

通販のみの販売。

<目次>
2002年はボクシング・イヤーだ
判定で論議を呼んだフレイタス対カサマヨルの統一戦
モズリーの番狂わせの敗北が起こした波紋
ジョーンズとホプキンスの防衛戦を2元中継
WBCが試合前、両選手のつかみ合いを禁止
WBA公聴会の波紋
アヤラ、アダムス戦に見る権威破壊、価格破壊現象
アルゼンチンの大プロモーター、レクトーレ逝去
スパダフォーラは写真判定王者
メキシコの拳聖アステカ死す
スーパーファイトが軒並み延期
超特急メイウェザーが1階級上の王座に挑戦
名選手デュラン、正式に引退
レコードブックこぼれ話
判定をめぐる議論沸騰
カリブの天才パンチャー、トリニダートの再起戦
異端児ハメドのカムバック戦
インターネット情報と映像の差について
ホリフィールドはサバイバル戦に賭ける
明日、待望のルイス、タイソン激突
世界のヘビー級の動きは?
モラレスとバレラが因縁の再戦
次代のヘビー級エース、クリチコ弟がマーサーと対戦
モズリーのフォレストへの雪辱なるか
韓国から世界王者が消えた
暫定王座はボクシング界円滑化の便法?
ヘビー級ピーターの米国進出
日本の採点を世界標準に移行させよう
池仁珍は韓国ボクシング界の救世主になれるか
トゥア対モーラーの生き残り戦
S・フェザー、S・バンタム級の日本人王者回顧
強すぎるジョーンズがまた防衛戦
デラホーヤとバルガスの王者対決
S・ウェルター級王者を振り返る
デラホーヤのスピードを見て考えた
WBCが3100万ドルの敗訴
日本人同士の話題を呼んだ対決
WBA王者モレルの指名防衛戦
バレラとタピアの激突は権威破壊の象徴
ロイ・ジョーンズのヘビー級挑戦騒動
スパパフォーラは不安定チャンピオン
ラリオスの統一戦1回KOに想う
レオ・ガメス5階級制覇ならず
モラレスがWBCフェザー級王座に返り咲き
因縁の再戦でガッティがウォードに報復
WBC総会の日本開催
タイ人の単身来日を禁止せよ
年間最優秀はレノックス・ルイス
2002年を総括すれば
世界のS・フェザー級は戦国時代
ジューの豪州・凱旋帰国防衛戦
ルイス、ジョーンズどちらが強い?
マヨルガが勝ち中量級に異変
無冠の王者マルケスがついに王座奪取
モズリーのS・ウェルター級転向第1戦
2週間の間隔で兄弟世界王者誕生
ロイ・ジョーンズのヘビー級王座挑戦本決まり
ヘビー級新王者ジョーンズの今後
クリチコの敗北でヘビー級は混乱状態
フレイタスがラミレスを破り王座防衛
レオン・スピンクスの息子が世界王者になった
いま比国のボクシング事情は
4月15日、ヘビー級の動向が決定する
無冠の帝王バレラが元王者ケリーに圧勝
メイウェザーの前途多難か
WBC自己破産宣言の背景
今後、スピードがさらにパワーを駆逐するのか
ホプキンス対トニー戦実現か?
ライト級統一戦は引分けに終わる
豪州の星コンスタンチン・ジューの指名戦騒動
宿命のライバル、ガッティ、ウォードの第3戦
ルイス、クリチコ兄戦決定の背景
ルイス対クリチコ兄の巨漢対決
ルイス、クリチコ戦のあと、ヘビー級の動きは?
無敵のフライ級王者エリック・モレルの脅威
強打者モンシプールが王座奪取
論議を呼んだアランブレット、新井田戦の判定
アマ選手処分問題を再考する
WBCフェザー級興行権入札
まさしく激闘、フレイタス対バリオス戦
シリモンコン、米国で王座を失う
ジョーンズ、サンダース戦は破談
スーパーバンタム級挑戦の歴史を回顧
デラホーヤ、モズリー因縁の再戦
デラホーヤは負けていたか
バード、オケンド戦の判定がまた論議を呼ぶ
日本と米国で同じ日にトリプル世界戦開催
歴戦の勇者ホリフィールド引退か
WBCの名誉王者とは何か
英国でのWBC王座決定戦で珍事発生
注目のメイウェザー、ヌドウ戦
ヘビー級王者ジョーンズがターバーに逆挑戦
バレラ、パッキャオ戦で番狂わせは起こるか
(12−05−03)


今日、ホリフィールド、トニー戦放送

今夜8時、待望のイベンダー・ホリフィールド、ジャエームズ・トニー戦、
WOWOWで放映。
トニーは次にジャミール・マクラインと対戦し、それに勝てば
ヘビー級王座に挑戦するという。だから、このホリー戦は見落とせない。

もうひとつ放送されるのが、ホエル・カサマヨル、ディエゴ・コラレス戦。
倒し倒されの激闘。

先週、WOWOW総集編のため、今年放送した全カードの中でベスト20試合を
各自リストアップした。もちろん、このカサマヨル、コラレス戦をトップ10に
入れた。それほどの試合だから、こちらも是非お見逃しなきよう。
(12−1−03)