ジョー小泉のひとりごと 2002年10月後半


2002年10月31日 海外情報

10/26ダバオへの凱旋防衛戦でIBF・SB級王者マニー・パッキャオ(比)がファープラコブ・ラキャットジム(タイ)を1Rに4度倒し2:46KOで快勝。セミでは元世界王者ゴーヨ・バルガス(メキシコ)がクリストファー・サルダイ(比)に5RTKO勝ち。

10/27プエルトリコ。杉田竜平を苦しめたハビエル・ハウレギ(メキシコ)が当地のホープで無敗のアレックス・トゥルヒージョに3-0の12R判定勝ち。

10/26南ア、ブラクパン。カシアス・バロイとムブレロ・ボティーレ(元IBF王者)の南ア実力者対決は前半攻勢のバロイが中盤の反撃を凌ぎ11RでストップしIBO・SFe王座防衛。

11/9のIBF・L級戦のセミ予定の同挑戦者決定戦に出るはずだったエンジェル・マンフレディーはスパーで左目横を切りキャンセル。ビクトリアノ・ソーサの相手はラマー・マーフィーに変更。ソーサが勝てば翌1/12にマンフレディーと改めて挑戦権を賭けて戦う可能性有。

元WBC・L級王者セサール・バサンが11/1ラスベガスで約1年ぶりに再起。

シドニー五輪SH級金メダリスト、オードリー・ハリソン(英)が11/23アトランティックシティのM・ウォード-A・ガッティの前座に出場。

12/14英ニューカッスルでWBO・SM級王者ジョー・カルザゲ(英)はト-マス・テイト(米)とV12戦。セミは無敗のWBC2位、リッキー・ハットン(英)がWBU・SL級王座防衛戦(相手未定)。

ヨーサナン・3KバッテリーのV1戦はタイ国王誕生記念日で同国の国民の休日12/5にレイモン・ピアソン(米)とバンコクで開催。ピアソンはIBF1位だったが今年3月、番狂わせ屋オルランド・サリド(メキシコ)に不覚の判定負け。これが唯一の敗北。


「ボクシング珍談奇談」は5章まで出来ました

土曜、日曜と何をしていたか。
「RING MAGAZINE」のバックナンバー、1930年代のものを読み込んでいた。

珍談奇談が多すぎて、取捨選択に迷う。
現代の眼で歴史を裁断する。

だから、この本にはビートたけし、浅丘ルリ子、フーテンの寅、カーク・ダグラス、ハンフリー・ボガートなどが出てくる。

今日書いた中で、5−9が面白かった。
2日間、朝8時から夜1時まで読んでは考えて書き、読んでは考えて書き続けた。
部屋中、洋書の参考文献と「リング」誌の古い号の山。

第5章 豪腕野郎がボクシング界をかき回した(1931年〜1940年)

1.キューバのチョコレートはスウィート 
2.マザコン坊やは世界チャンピオンになれない 
3.やっと英国の風車野郎をやっつけた 
4.アメリカは仕返しのため判定を盗んだ 
5.アルプスのようなイタリアの大男がチャンピオンになった 
6.地元判定と文句をいうならもう一度やろう 
7.11回の間に11度もダウンがあった茶番劇で王者交代 
8.プレイボーイに勝ったシンデレラ 
9.4大世界タイトルマッチをドン・キングより先に興行した男 
10.褐色の爆撃機がシンデレラを撃ち落した 
11. 米独間の代理戦争はアメリカのKO勝ち 
12.8階級中の3階級をひとりじめするなんて独占禁止法違反 
13.1試合に5点も減点ってありか! 
14.体重2トンと詐称した奇人がKOされた 
15.4階級制覇を妨げたのはみんなのジェラシー 
16.史上最もひどい酒呑みチャンピオン


2002年10月27日 長谷川、熟山に番狂わせの判定勝ち

神戸サンボーホール

長谷川穂積(千里馬神戸) 9-2,4KO 前 120.25=H

判定 (100−91)x2、100−89

B3 熟山竜一(JA加古川) 10-3-3,5KO 前 119.75=M



終始、Hのペースで進み一方的。

3回終了間際、サウスポーHの左SでMは尻もちをつく。

7回、またHの左SでMは背中からD。

9回、Hの左SでMたじろぐ。

久保田社員からの電話リポート。

私は「ボクシング珍談奇談」でいまヘンリー・アームストロングの項を書いているところ。


2002年10月23日 トレドの惨劇のトレドは「トリード」

いま「ボクシング珍談奇談」を書き進んでいるが、ここで若い頃鍛えた英文速読術が生きている。
ひとつのテーマ(エピソード)について5冊から10冊の原書を読んで咀嚼し、頭の中でまとめて一気呵成に書く。

サラリーマン時代、一番最後の仕事は特許契約の仕事だった。
化学の特許を海外からライセンス購入するための契約ポイントをまとめ、上司に提出する。
300頁から500頁あるライセンス契約書を読み、それを何とA4の紙1枚にまとめさせられたのだから、随分無理な仕事をさせられた。ダラダラ読んでいると、仕事を終えてトレーナーの仕事のため会社を飛び出せない。自分なりの工夫をして、英文読解力、というより速読力を鍛えた。
それがいま生きていると思う。

名古屋の石井の試合の日だから、14日だ。
マッチメーカーとして仕事を終え、小牧から名古屋駅までタクシーに乗り(結構遠かった。往路が7000円、帰路が8000円)、夕方6時に着いた。

緑の窓口で東京行きのチケットを求めたが、7時23分まで指定席がない。
時間つぶしにステーションビルの中の書店を尋ねた。
高島屋の何階かに三省堂があるという。

急にある本を読みたくなった。
自宅に戻ればあるのだが、文庫本くらいもう1冊買ってもいいだろう。
ヘミングウェイの「5万ドル Fifty Grand」という短編小説だ。

新訳の本が出ていた。
「われらの時代」と「男だけの世界」が1冊にまとめられている。

読んでいて、「トリードの街」という言葉に引っ掛かった。
これはデンプシーがウィラードを粉砕した「トレドの惨劇」のあの街のことではないのか?

帰宅後、夜、ニューヨークへまた電話をかけた。
元「リング」誌副編集長の歴史家であり親友のハーバート・ゴールドマンだ。
彼は最後の「リング年鑑」86&87年版の著者でもある。
私がいまの「珍談奇談」を書きながら、彼のミスをいろいろ指摘するので閉口しているようだ。

"Hi Herb, how do you pronounce the town where Dempsey annihilated Willard in 1919?"
"To-lee-do. We Americans pronounce it To-lee-do."

これで納得。
ボクシング記者が「トレド」と書いてきた街は「トリード」というんだ。
知らなかったな。
そういえば、Albuquerque(ボブ・フォスター、ダニー・ロメロの住む街)は昔、長く「アルバケルク」とボクシング雑誌に書いてあったが、最近は「アルバカーキー」とアメリカで発音される通りに表記、発音されている。

もう入稿した「珍談奇談」の第3章をゲラ刷りのとき、訂正しないといけない。
「トリード」と読むのか。
ひとつ賢くなった。
今回の本のため、頻繁にハーブ(ハーバートの愛称)に電話し、選手の名前の発音を再確認している。これまで先人はかなりいい加減なローマ字読みをしていたのが判明した。
もし時間があれば、その一覧表を「珍談奇談」に載せたい。

たとえば、オリンピックで金メダルを獲り、プロデビュー第1戦にフロイド・パターソンに挑戦したPETE RADEMACHERは何と読むか。
「ピート・レデマカー」だって。
ラデマチャーじゃなかったんだ、ボクシング雑誌に書いてあったような。
後世の若いボクシング記者が名選手たちの名前を書くときの手引きとなる本にしよう。

元世界ライトヘビー級王者の名選手 TOMMY LOUGHRAN を何と読む?
昔のライターが書いていたようなラフランではない。
「トミー・ラグラン」だ。

私が数章書いては助手の久保田君が読んでチェックしていく。
親の敵みたいに手を入れる。それを見て、私は笑う。
折角、正しい読みを書いているのに、彼は従来の表記に直す。
MADISON SQUARE GARDENを「マディソン」と書いたのに「マジソン」と直す。
STADIUMを「スタディアム」と書いたのを「スタジアム」と直す。
私もほどほどにしないといけない。さもないと、11月15日に校了できなくなる。
まあ、頑張っています。
イエス、こだわりのジョーだ。


辰吉の再起戦 発表

本日、大阪帝拳ジムは前WBCバンタム級王者、辰吉丈一郎のカムバック戦を下記の通り、発表した。

12月15日(日)大阪府立体育会館

対戦者は、元WBAフライ級王者、WBA世界S・フライ級3位、WBC5位セーン・ソー・プロンチット(44戦43勝14KO1敗)。

セーンはS・フライ級の上位世界ランカーだが、最近はバンタム級で試合をしている。

リング・ジャパンでもチケットを取り扱います。
ホームページ広告は今夜から。どうぞアクセスしてみてください。


2002年10月22日 富本 1回KO勝ち

10-22
後楽園ホール

SB2 富本慶久 8-1,4KO 前 124.25
KO1回1分55秒
タイ・ノーランカー チャイヤシット・ツインズジム(タイ) 6-5,2KO前 120.25

開始早々、実力差歴然。
富本は左Sで相手をロープにふっとばし、ロープの反動で返ってくるところに左ショートを当てDをとる。
相手は立ち上がったが、連打からの左Sで2度目のD。
さらに右Hカウンターで3度目のDでフィニッシュ。


2002年10月22日 アギーレWBC MIN級王座防衛

10-19 メキシコ、ビジャエルモサ

ホセ・アントニオ・アギーレ
判定2−1 (115−112)x2,112−115
ファン・パラシオス(ニカラグア)
アギーレは2回にDを奪ったが、後半ヨレヨレでスプリット・ディシジョン。

ウルタドに勝った新WBA SL級王者ビビアン・ハリスはジャマイカ系でなくガイアナ系(アンドリュー・ルイスと同様)。訂正。

10-11 米オクラホマ、タルサ (レポート漏れ)
ザヒール・ラヒーム
TKO8回
ルイシト・エスピノサ
ルイシトは左HカウンターでDをとったが、無敗のフェザー級ホープのラッシュを浴び、8回にD。立ち上がったが、ダメージが深く、レフェリーストップ。

ランディ・スイコのタイガー・アリとのOPBF SFe級指名戦は来年1月に延期。12月14日セブ開催でアリ陣営にオファーを出したが、アリはマネジャーの許可なく渡米し11月8日にカリフォルニアで試合をするとのこと。アリにとり期間が短いため、1月に延期して再オファー。万が一、アリのマネジャー問題が解決せず米国に留まるなら、2位の選手と指名戦。しかし、チャンピオンサイドが1位アリを追いかけて対戦を迫るおかしな状況になっている。ランディは11月17日、静岡で三津山ジムの選手とのエキジビションに出場します。メインはガンボア対飯田。


2002年10月21日 下田、松沼をTKO

10-21 ホール

SFe級超10回戦

SFe7 下田賀彦(駿河) 11-7,7KO前 132.25=S

TKO6回22秒

Fe9 松沼誠太郎(沖) 12-4-2,7KO前 131.75=M


Sは初回からアウトボクシング。

3回終盤、Sの右UでMはヒザを折るスタンディングD.。

その後もSがアウトボクシングでリード。

6回、Sが1-2狙い打ちし、レフェリーストップ。


今日夜11時 WOWOWエキサイトマッチにランディ・スイコ登場

神戸の実家の母親にも電話した。
「月曜の夜、いま育てている私の選手が出るから、見てよ」
「またフィリピンの子かいな。また苦労してチャンピオンにして逃げられるのとちゃうか」
「まあ、気立てのいい子だから大丈夫だと思うよ」
「あんたは人にだまされるたちや。もっとしっかりし」

折角、エキサイトマッチの予定を知らせるために電話したのに、
説教されてはかなわない。
うちの母親は普通9時から10時に寝るので、
エキサイトマッチを見るときは昼寝をするらしい。
それで土曜日の再放送もまた見るらしい。
10年以上、毎週エキサイトマッチを見続けているから
詳しくなってしまって・・・。

「デラホーヤ、つぎ誰とするねん」
俺でもまだ知らんって。


2002年10月20日 2チャンピオン落城

10-19 ヒューストン

WBA SWタイトルマッチ
15位ビビアン・ハリス
KO2回43秒
ディオベリス・ウルタド

ハリスのステップインしながらの左Hが有効で、初回からこれがヒット。2回、2度これで追いたて、左Hから右をフォローするとウルタドはロープ際でD。立ったが足元が定まらずフィニッシュとなった。新王者は22-1-1,16KOのジャマイカ系。アイバン・ロビンソンと引き分けたことのあるダークホースだった。

フランシスコ・ボハド
判定
フランキー・サンチェス
2,7回にDを与え、サウスポーにスウィッチするなど上手さも披露して再起戦を飾った。

ロッキー・ファレス
判定10R
元WBC SB級王者エクトール・アセロ・サンチェス

10-19 英グラスゴー

WBO Fe級タイトル戦
スコット・ハリソン
判定 (117−111)x2,117−112
フリオ・パブロ・チャコン
ハリソンの手数勝ち。チャコンは3度目の防衛に失敗。


ランディ・スイコの米国初試合はWOWOWで21日(月)11時から

「ジョー小泉がマネジャーをするランディ・スイコってどんな選手だろう?」
と思われる方々に。

ランディが9月にラスベガスで戦ったファン・ガルシア戦は
明日21日(月曜)11時からの
WOWOWエキサイトマッチで放送されます。
最初の試合ですから、11時からの放送は最初からご覧ください。

4回KOですから、ノックアウト・シーンが見られます。
これで18戦全勝16KOです。
まだ22歳でこれから直すところがまだまだありますが。


「ボクシング珍談・奇談」はここまで出来ました 進化する目次

第1章 ベアナックル時代の拳闘は珍談ばかり(〜1892年)

1.なぜ四角の試合場を「リング」と呼ぶのか?
2.初の拳闘ルールを作った男
3.八百長専門の悪漢チャンピオン
4.臆病者か科学的テクニシャンか
5.囚人から国会議員に出世したチャンピオン
6.白人対黒人の決闘はどちらに軍配が?
7.マラソン・ファイトを得意としたチャンピオン
8.宣教師になったサウスポー・チャンピオン
9.英国タイトル戦から世界タイトル戦へ
10.現行ルールの基礎となるクィーンズベリー卿ルール
11. 遂に剛勇サリバン登場
12. いつ拳闘が階級制になったのか?
13. ミドル級以下にも強い選手がいた

第2章 第2章 銀行員やボイラー製造屋が世界チャンピオンだった(1882〜1910)

1.397個もダイアモンドがついたチャンピオンベルト
2.王者サリバンはなぜ黒人との対戦を拒否したか?
3.暗算が得意な銀行の書記がのし上がってきた
4.「チャンピオン・カーニバル」で新ヘビー級王者誕生
5.チャンピオンはみぞおちパンチに弱かった?
6.バックハンド・ブローでKO勝ちしたが、あとで王座取り消し
7.史上初の三冠王は40歳
8.保安官ワイアット・アープは悪徳レフェリー?
9.ボクシング・クラブが訴えられた話
10.19歳の2冠王、マクガバーンは短命王者
11.失格負けを宣したレフェリーを袋叩きにした話
12.対戦者とそのマネジャーをKOした話
13.身長170センチのヘビー級チャンピオン
14.名チャンピオンは反側屋が苦手だった
15.史上最も有名な報復マッチ
16.史上初の黒人ヘビー級王者ができてしまった
17.ミシガンの暗殺者が歯を折られた
19.英国のクラブが現行の階級制を作った

第3章 黒人王者ジョンソンが去りデンプシーが出現(1911年〜1920年)

1.女にちょっかいを出したチャンピオンが射殺された
2.ああ、カムバックなどしなければよかった
3.山猫はダブル・ノックダウンで命拾いの王座防衛
4.誰も小男クーロンを持ち上げられない
5.世界ヘビー級チャンピオンは逃亡中 
6.あるカウボーイの死 
7.タイソンの前に耳を噛みちぎったボクサーがいた
8.ああ、やっと白人ヘビー級チャンピオンの時代が来た 
9.よくやるよ、1日に3試合も 
10.レフェリーが相手方ではとても勝てない 
11.戦うことを忘れたヘビー級チャンピオン 
12.同じ相手と20回もよく試合するものだ 
13.ノンタイトル戦で世界タイトルを獲る方法教えます
14.小さな「鉄腕アトム」がチャンピオンになった 
15.オーイ、1回KOじゃない、リングにもどれ!
16. 病気の親友に鉄拳を見舞う男の友情 

第4章 デンプシーとタニーが戦った騒乱の20年代 (1921年〜1930年)

1.デラホーヤよりハンサムな「蘭の男」アメリカ上陸
2.役者が揃い史上初の100万ドル興行ができ上がった 
3.皇太子殿下、わかりました、体重差があっても試合します
4.勝ちたくなかったからわざと反則負けしたって本当? 
5.花の都パリでライオンを連れ歩く野生児が世界王者に 
6.世界タイトルマッチを興行したおかげで街は破産 
7.野牛はやはり屠殺人に勝てなかった 
8.ボクシング記者が世界チャンピオンになった 
(以下4章続く)

第3章まではもう入稿した。
以後、1章出来上がるごとに入稿し版を作る方法で本を作っている。
第4章入稿は来週火曜日。


2002年10月19日 関口、前比国王者オリベッティを破る

10−19 後楽園ホール

関口幸生 125.25 5-0,2KO前=S
判定10R 2−0 97-95,97-94,96-96
前比国SB級王者 ディノ・オリベッティ 126 24-12,11KO=O

Sはやや変則ながら初回から積極的に攻め、ポイントを連取。
中盤以降、やや失速し、Oのジャブ、右Sを食ったが、
終始攻勢をとり判定勝ち。
ドローをつけたジャッジがいたのには驚いた。
Sは7回にパンチによる出血をしたが、最後の3回をよく
頑張った。

Fe級8回戦
矢代義光 125 5-0,4KO前
TKO8回
鳥飼秀作 125.25 6-2,1KO

Fe級8回戦
矢沢慎太郎 126
TKO8回
井上雄介 126